ここではZModeler2を使用してでのガルウイングの作成方法について解説をしています。
ガルウイングの作成手順の後にGTAでのガルウイングに関する説明がありますので、そちらも見てください。今回は垂直方向に回転するタイプのものですが、斜め方向に回転させたい時などの参考になると思います。
図1
ここでの回転移動は軸のモードを"Local"にして解説しています。軸の変更はツールバーのAxes modeにあるプルダウンメニューで変更できます。(図1)
車種はcloverを例に解説していきます。使用するオブジェクトは、
"door_lf_dummy"
"door_rf_dummy"
"door_lf_ok"
"door_lf_dam"
"door_rf_ok"
"door_rf_dam"
となります。必要に応じて他のオブジェクトを表示・非表示を切り替えて作業のしやすようにして下さい。
図2
まず、ドアのダミーオブジェクト、"door_lf_dummy"をコピーします。コピーしたダミーオブジェクトを適当な名前に変更します。ここでは"gull_lf_dummy"に変更します。
"door_rf_dummy"も同様にコピーして適当な名前に変更します。ここでは"gull_rf_dummy"に変更します。
次に、オブジェクトの階層を編集します。(図2)のような状態にします。各gull_〜を各door_〜の親とし、"chassis"の一つ上の階層である"chassis_dummy"をgull_〜の新たな親としてリンクして下さい。
図3
まず、左側のドアから処理をしていきます。
"door_lf_dummy"と"gull_lf_dummy"の2つのダミーを選択して、軸のモードを"Local"の状態でY軸を中心に-90度、回転移動します。ツールバーのAxes modeにあるAxesボタン”Y"をクリックするとY軸中心に設定できます。 shift + クリックで数値入力による回転移動ができるので、これを使用して移動させます。(図3)
回転移動の設定は(図4)にあるような設定で行います。
図4
"door_lf_ok"の基点をZ軸を中心に-90度、回転移動します。ジオメトリオブジェクトは移動しないで、基点のみ回転移動という事に注意して下さい。(図4)
"door_lf_dam"も忘れずに同じ事をして下さい。
次に右のドアを処理します。やり方は左側とだいたい同じですが、"door_rf_dummy" と "gull_rf_dummy"の回転移動は+90度、"door_rf_ok" と "door_rf_dam"の回転移動は+90度となり、左側と反対方向に回転移動します。
図5
現在の状態でもドアは上に跳ね上がりますが、このままだとドアの回転する位置が下すぎるので基点を移動して調整します。
基点を移動させる時は、各ドアのオブジェクト(左側のドアを例にすると、"door_lf_dummy" "door_rf_dummy" "door_lf_ok" "door_lf_dam" で1セットになります)をまとめて選択して移動させた方が楽です。それに各オブジェクト同士がズレなくなるので、まとめて移動するようにしましょう。移動の設定は図5の通り。まとめて選択して移動する場合は、"SELECTED MODE" をオンにするの忘れずに。調整が終わったのならエクスポートをしてゲーム内で確認してみましょう。(図6)のようになっていたら完成です。
おつかれさまでした。
図6
簡単ではありますが各ダミーオブジェクト、ジオメトリオブジェクトの役割を説明します。
"gull_lf_dummy" ドアが1度でも移動した後の位置を設定する
"door_lf_dummy" 初期状態のドアの位置を設定する
"door_lf_ok" 回転移動する方向を指定する
"door_lf_dam" 同上
ZModelerでダミーオブジェクトを回転移動した時、ゲーム内でどう反映するかは以下の通りです。
ゲーム内でのXYZは、便宜上、真正面から車の前部から後部をみる感じにして左右がX、上下がY、奥行きがZにしています。
Z軸を中心に+90度移動 ゲーム内ではY軸を中心に-90度移動
Y軸を中心に+90度移動 ゲーム内ではZ軸を中心に+90度移動
X軸を中心に+90度移動 ゲーム内ではX軸を中心に-90度移動
これは文字で理解するより実際にやってみた方が、理解しやすい思います。
図7
何故こういう面倒なやり方をしないといけなかというと、GTAの車のドアの開閉は、Y軸を中心にして回ります。図7のグレーの矢印のように回転移動します。この回転方向は、軸に対しては固定ですので、ドアの回転方向を変更するには、この軸を移動させなければいけません。
そしてこの回転移動させた分、ドアが傾くわけですから、ダミーオブジェクトを、その回転移動させた逆の方向に回転移動して補わなければいけません。これをする事により、回転移動量がプラスマイナスがゼロになるので、ドアが元の状態になるわけです。
ガルウイングにするにあたって気をつける点は、
各ドアの基点の座標を一致させる事、
"gull_lf_dummy" と "door_lf_dummy"のXYZ軸の方向を一致させる事、
ダミーオブジェクトの回転角度と、ドア本体の回転角度を同じにする事。
・・・と以上つらつらと説明してきましたが、私自身、これを書いてる時点でまだあやふやな点がおおいので、間違ってる事をいってるかもしれません。
こっち移動して、あっちが移動、こっち移動で、あっちも移動・・・と頭がこんがらがってきてます^^;
間違い等あれば終わりに記しているメールアドレスまでメールを頂ければ幸いです。
また、ガルウイングの方法も幾通りものアプローチの仕方があり、ポリゴンオブジェクトを移動して調整したりと別の方法もあるようなので、いろいろ試してみて下さい。
では、よいGTAライフを!
(2007/03/10)